世界各国では、自国映画について様々な支援策を行っています。しかし日本では、これまで通産省、文化庁が実施してきた奨励金制度、研修制度などの助成策は一定の役割をはたしているものの、部分的なものであり、総合的な日本映画振興政策とはいえません。最大の助成策と言われている「芸術文化振興基金」による「製作活動」助成にしても、総額でわずか2億5,800万円(平成8年度)であり、長編映画は9本・2億2,500万円(1本2,500万円)に止まっています。
これらの現行制度をさらに拡充、改善することは欠かせないことであり、映画産業の側の一層の自助努力も当然のことですが、日本映画を真に振興させるには、総合的な見地からさまざまな支援制度が必要です。
私たちは、当面次のことを目的とする総合的で即効性ある産業振興の措置がとられることが急務だと考えます。
第一に日本映画の創造活動を活性化させ、多様で、すぐれた日本映画作品を生産する。
第二に日本映画の鑑賞の機会を増やす。
第三に日本映画の担い手の社会的経済的地位を向上させる。
ここに提案する「日本映画振興基金」は、そのための緊急支援措置です。
あわせて、日本映画業界の製作配給興行全体の改革が求められています。
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