映演労連第72回定期大会報告
映演労連は2023年10月19日(木)全水道会館にて第72回定期大会を開催しました。今回の大会はコロナ前の活動を取り戻すべく3年ぶりに来賓をお招きし、全労連の清岡副議長と日本文化情報労組会議(MIC)の石川議長から連帯のご挨拶を頂きました。大会には会場リアル参加24名、WEB参加18名の合計44名が参加。そのほか、全国21の労組・団体から篤い連帯のメッセージを頂戴しました。
大会討論では、「芸能分野のハラスメント対応」、「ハリウッド規模のストライキの可能性」、「AI問題への対応」、「個人争議の在り方」、「日本映画適正化機構の進捗状況と課題」、「東映ラボテック本社移転に関する近況と問題点」、「東映アニメーション労務政策の問題点」など多岐にわたる発言が寄せられました。発言の多くは提案した方針を補強するものと受け止め、その実践を改めて呼びかけて来期の方針を決定しました。
- 第72期・主な映演労連役員
- 中央執行委員長
- 金丸 研治(松竹労組)
- 中央副執行委員長
- 飯野 高司 (日活労組)
- 遠藤 美希 (角川映画労組)
- 高瀬 真治 (全東映労連)
- 書記長
- 梯 俊明 (松竹労組)
- 書記次長
- 宮下 卓 (映演労連フリーユニオン)
大会宣言
約3年間に渡って猛威を振るった新型コロナウィルスが今年5月8日に感染症5類へと移行されたことを境に、外国人観光客の客足も徐々に戻り、一般市民の生活もコロナ禍以前に少しずつ戻りつつある。わたしたち映演労連の活動もリアル会議の機会を増やし正常化へ向かう中、本日開催した第72回定期大会を成功させることが出来た。
岸田政権が発足してから1年が経過した。日本の実質賃金は四半世紀に渡って低下し続けている。失敗したアベノミクスの大規模金融緩和・低金利政策が反省もなく続けられ、急速な円安による物価高騰を招き、消費者物価指数は高止まりしたままである。
困窮するわたしたちの生活など見向きもせず、岸田政権は大軍拡と大増税の道をひた走っている。昨年末、閣議決定のみで安保三文書が改定され5年間で43兆円もの軍事費が予算化された。6月に閉会した通常国会では、原発を永続化するGX束ね法案、強制送還を可能にする入管法の改悪、健康保険証廃止とマイナンバーカード作成の強制、差別促進のLGBT法案等が強行され、10月からは「消費税減税」とは真逆の、インボイス制度による更なる増税が強行され、わたしたちのいのち、暮らし、人権が徹底的に痛めつけられている。わたしたちは、将来的にわたり安心して暮らせるような社会を実現する政治体制への転換を強く求め行動する。
ロシアによるウクライナ侵攻から1年半以上が経過したが、市民を巻き添えにした戦闘が今なお続いている。イスラエル軍によるガザ地域へのパレスチナ住民への攻撃によって子どもを含む3000人以上の人々が死傷している。わたしたちはあらゆる戦争に反対し、即時停戦と世界の恒久平和を求めるものである。
本日、わたしたち映演労連は第72回目の定期大会を開催し、一年間の闘いを総括し、大会に結集した映演各社の仲間達の間で活発な討論、議論を行い来期の運動方針を確立した。
映画・演劇産業の発展はもとより、ジャニーズ問題に象徴されるように、映演産業におけるハラスメントから目を背けることなくその根絶を目指し、言論・表現の自由の危機を打開するための闘い、労働法制改悪の断固阻止、憲法改悪反対、すべての原発ゼロと再稼働反対、沖縄の基地ゼロ運動への連帯、インボイス制度の中止など、現政権の起した「歪み」を糺すための社会的課題にも果敢に取り組むことを決意した。
平和と民主主義を取り戻し、平和憲法を護り、深刻化する格差と貧困をなくし、ジェンダー平等を実現し、非正規やフリースタッフをはじめすべての働く仲間が人間らしく暮らせる社会を実現するためにも、映演労連のさらなる組織力、要求実現力を高めた運動を目指そう。
全労連やMIC、地域共闘とも連帯しながら、映画・演劇産業ではたらく全ての労働者の思いを共有できるよう、これからもさらに闘い抜くことをここに宣言する。
2023年10月19日