映演労連第67回定期大会

映演労連第67回定期大会報告

 10月18日(木)、映演労連は東京・文京シビックセンター5階C会議室にて第67回定期大会を開催しました。大会は、来賓の日本共産党・吉良よし子参議院議員、MIC・岩崎貞明事務局長からの連帯挨拶の後、「STOP安倍改憲!平和と民主主義を取り戻し、言論表現の自由を守ろう!」「映演産業から格差と貧困を根絶し、8時間働いて人間らしく暮らせる社会を実現しよう!」、「組織を拡大、強化して映演労働者の生活と権利、雇用を守り、要求を実現しよう!」のスローガンの下、活発な議論を展開しました。

 午後には来賓の全労連・野村幸裕事務局長からも連帯挨拶を頂き、「情勢報告」や「運動方針案」提案後の会場討論では、各単組の代議員、執行委員から顧問も含めて、安倍9条改憲阻止に向けた取り組み、組織の強化・拡大の取り組みなどが語られました。

 その上で大会は第67期の運動方針を採決し、新執行体制を確立しました。続いて大会は「安倍改憲提案・発議を許さない特別決議」「大会宣言」を採択し、最後に菅俊治顧問弁護士によるミニ講習「『働き方改革』関連法と労働運動の課題〜労働時間をめぐって」を行い、改正労働法の注意点を学習し、成功裏に終了しました。

 映演労連は既に18秋闘方針を確立し19春闘準備も含めた秋年末の闘いを開始しています。映演産業に働く仲間が結集する労働組合として、憲法改悪を阻止し、平和と民主主義を守り、個人の尊厳を取り戻し、改悪労働法制の職場への導入を許さず、生活と権利を守りぬく闘いに全力を尽くしましょう!

 なお、第67回定期大会には各方面28団体から暖かい激励のメッセージが寄せられました。


第67期・主な映演労連役員
中央執行委員長
金丸 研治(松竹労組)
中央副執行委員長
飯野 高司 (日活労組)
南雲 真由美 (角川映画労組)
沼子 哲也(全東映労連)
書記長
梯 俊明 (松竹労組)
書記次長
竹中 博子 (松竹労組)
深澤 英之 (フリーユニオン)

大会宣言

 この一年、森友・加計学園への口利き、公文書改ざん、自衛隊イラク日報隠ぺい、官僚による贈収賄・虚偽答弁・セクハラなど、いずれも国政を揺るがす大事件が続いた。しかし、安倍政権はそれらを省みることなく高プロ制度など「働き方改革一括法」、米国財界に隷属した「カジノ法」、食糧自給を放棄する「TPP11(イレブン)関連法」など、数々の悪法を数の力で押し通してきた。

 異常ともいえる長期政権が現実となったいま、次に控える「消費税増税」と安倍政権の本丸「9条改憲」までもが、民主主義を蔑ろにしたまま私たちに襲いかかろうとしている。

 しかしこの一年、ハリウッド俳優の声を契機とした「#Me Too」運動が世界中に波及し、セクシュアル・ハラスメントへの意識改革が一気に進んでいる。「安倍9条改憲NO!」の署名は1500万筆を超えて今なお広がりを見せている。朝鮮半島の和平に向けた取り組みは歴史的な転換へと向かいつつある。苦戦が伝えられた沖縄県知事選では、野党共闘の結実によって圧勝という成果を生んでいる。政権の思惑とは裏腹に、光り輝く希望の芽が育まれていることも忘れてはならない。

 私たちはこの一年、組合員の生活向上と働きやすい職場の実現を目指してきた。映画への公的助成拡充やアニメ産業改革など、映演産業の発展を目指して奔走した。安倍9条改憲阻止、労働法制改悪阻止など社会的課題にも積極的に向き合ってきた。これらを総括することで取り組みの不十分さなど反省点も明らかにし、次の一年に向け新たな運動方針を決議した。

組合員一人一人の要求に根差した取り組みを大切にしながら、8時間働いてまともに暮らせる社会を実現しよう。組織の強化と拡大を組合員全員の力で実現しよう。経営の暴走には毅然と対峙し、映演産業の民主的発展を実現しよう。政治の腐敗と右傾化を黙認することなく、総力を挙げて憲法の活きる社会を実現し、希望の花をひらかせよう。

私たちは、全労連やMICそして地域の仲間と連帯し、思いを一つにする諸団体との共同をいっそう強化し、要求実現を目指して共に闘い抜くことを、ここに宣言する。

2018年10月18日
映画演劇労働組合連合会 第67回定期大会

安倍改憲提案・発議を許さない特別決議

 恫喝と圧力、忖度によって安倍首相が自民党総裁3選を果たし、内閣改造及び党役員人事では、データ捏造、公文書改竄、セクハラ、日報隠蔽の責任者や、斡旋利得疑惑、違法献金疑惑の当事者、生活保護や従軍慰安婦をめぐり暴言、失言を繰り返してきた人物らが、続々と留任、再任、登用された。閣僚19人中14人が日本会議に所属し、19人全員が神道政治連盟に加盟している。改憲のみに偏執したグロテスクな陣容である。

 全国紙世論調査では内閣改造に「期待が高まった」との回答は8%に止まり、内閣支持率も3月の調査から7回連続で不支持が支持を上回っている。さらに民放キー局調査では、臨時国会への改憲提案に「反対」する声が5割を超えている。

 しかし、信頼回復に背を向け、憲法尊重擁護義務も顧みず、任期中の改憲に妄執する安倍首相は、9条への自衛隊明記、秋の臨時国会での改憲発議を繰り返し言明している。これに連動して菅官房長官はTV討論番組内で、自民党単独で改憲案を憲法審査会に提案する考えを示した。

 特定秘密保護法、戦争法、共謀罪法の強行成立や、経済政策の破綻、度重なる外交上の失策、行政の腐敗・堕落と信頼の失墜など、6年間の失政と暴走は、国民主権、基本的人権尊重、恒久的平和主義といったこの国の基本理念を毀損し、歪め続けてきた。この上国民の望まない改憲によって軍事専制国家へと変貌させることなど、断じて許すことはできない。

 自衛隊明記は現状追認ではなく、戦力不保持、交戦権否認を規定する9条2項の死文化、自衛隊の軍隊化に他ならない。緊急事態条項は、首相及び内閣に全権委任を許す「内閣独裁条項」である。

 また、ひとたび改憲が発議されれば、資金力にものを言わせた改憲称揚CMがテレビ・ラジオに横溢する中で、私たちは法整備も未着手のままの国民投票による選択を余儀なくされる。国民不在の改憲発議を許してはならない。

 一方沖縄では、争点隠し、デマの拡散、有権者の締め付けと圧倒的な政権与党からの全面的なサポートを受けた対立候補を大差で破り、故・翁長知事の遺志を継ぎ「辺野古新基地建設反対、オスプレイ配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去」を表明する玉城デニー知事が誕生した。投票で示された民意は政治の暴走に対する大きな楔である。

 私たち映演労連は、沖縄をはじめ全国の安倍改憲NOの声と連帯し、3000万人署名を継続するとともに、改憲提案・発議を許さず、平和と民主主義、個人の尊厳を取り戻すまで全力を尽くすことを決議する。

2018年10月18日
映画演劇労働組合連合会 第67回定期大会


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