ラピュタ賃金減額事件終結に関するご報告

 日本映画専門の名画座として親しまれる映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」を運営する潟宴sュタ(代取:川邉龍雄−自称:才谷遼、従業員約20名)による、組合員への一方的賃金減額事件は、本年(2014年)1月7日に武蔵野簡易裁判所において調停が成立いたしました。
 また、本調停成立に伴い昨年6月18日に申し立てた潟宴sュタ(代取:川邉龍雄)を被告訴人とする刑事事件(新宿労働基準監督署宛、労基法24条「賃金不払い等」違反)についても本年1月29日付で告訴を取り下げました。

 ラピュタ賃金減額事件とは、2009年9月より同社に働く組合員の60歳到達を機に、組合との協議もなくそれまでなかった60歳定年を含む就業規則を一方的に導入し、正社員だった組合員を一年毎の契約社員としたうえ、その賃金を本人の同意もないままに大きく減額した事件です。訴訟事件となって以降、2012年6月28日には東京地裁(民事11部・菊池憲久裁判長)で組合側全面勝利の判決が下り、これを不服とした会社側控訴も同年12月5日東京高裁(民事12部・難波孝一裁判長)にて控訴棄却の判決が下されていました。しかし、会社側は確定判決を履行することなくその後も不払い賃金を支払わないどころか減額した賃金を平然と継続したため、数度の強制執行ならびに労基署への刑事告訴を労組対応として敢行していたものです。

 これまで労組を敵視し、話し合いにも応じようとしなかった社長でしたが、昨年10月に会社として武蔵野簡易裁判所に調停を申し立て、その結果、分割ながら過去の未払い分を利息も含めて支払うこと、月額固定賃金へ戻すとともに所定内労働時間の目安(月内160時間)を定めることなどを労使双方で合意し、調停成立に至りました。

 ラピュタでは女性従業員への社長の暴力事件を契機とした組合結成から8年に及ぶ争議状態が続いていましたが、本調停成立により漸く争議の終結を見ることができました。展望の見えない長期に渡る闘争の中で最大時7名の組合員も今では僅かに1名を残すのみとなりましたが、諦めずに闘い続けてきた当該労組とそれを支えて頂いた広範な労働組合・争議団・市民の皆さまのお力添えによる勝利であると確信しています。

 これまでご支援ご協力頂いた皆さまへ篤く御礼申し上げますとともに、引き続き「ラピュタ阿佐ヶ谷」の民主的な職場環境の維持と発展を目指す決意を申し述べましてご報告と致します。

2014年4月1日

映演労連フリーユニオン・ラピュタ支部
委員長  鈴 木 周 三

映画演劇労働組合連合会(略・映演労連)
中央執行委員長 金 丸 研 治

映演労連フリーユニオン        
執行委員長  高 橋 邦 夫