日本映画の旧作名作を上映する映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」で2006年4月、社長が女性従業員の襟首を掴んだまま、何度も壁に叩きつけるという暴力事件が起きました。社長の名前は川邉龍雄(自称・才谷遼)。この事件を契機に「ラピュタ阿佐ヶ谷」で働いていた従業員は立ち上がり、才谷社長による暴力や暴言から身を守り、安心して働ける職場を作るため、2006年6月に映演労連フリーユニオン・ラピュタ支部を結成しました。
しかし、団体交渉で暴力禁止を約束させても才谷社長はそれを守ろうとせず、暴言および暴力行為を繰り返しました。しかも才谷社長が団体交渉に応じたのは、この3年半でたった2回だけでした。
組合は、交渉だけでは解決できないと考え、暴力行為の差し止めについて2007年11月、労働審判に申し立てました。才谷社長は労働審判の場で「謝罪は出来ない、これから暴力をやめるつもりはない」などと公言したため、2008年1月、職場での暴力・暴言を禁止する画期的な審判が下りました。
それでも才谷社長の従業員いじめ、労働組合に対する暴言と誹謗中傷はやむことがなく、団体交渉の申し入れをことごとく拒否ないし無視したため、組合は2008年4月、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てました。才谷社長は、労働委員会の場でも不当労働行為を「堂々」と認め、組合への誹謗中傷を繰り返して労働委員会を呆れさせました。これは間もなく救済命令が下される見通しです。
暴力行為や暴言、不当労働行為のほかに、残業代をまともに支払っていない問題がありました。組合は労働基準監督署に行政指導を要請しましたが、驚くことに才谷社長は2007年7月、ラピュタを訪れた労基署担当官に罵詈雑言を浴びせ、追い返してしまったのです。新宿労基署は08年12月、株式会社ラピュタに対して残業代支払いの勧告を出しましたが、才谷社長は勧告に従おうとしませんでした。そのため組合は2009年4月、未払い残業代の請求訴訟を起こしました。裁判官は途中で和解を勧めましたが、会社側代理人は「会社は和解には応じられないと言っているので、判決を求める」と信じられない対応に出ました。このため2009年12月に、全額支払いを命じる判決が出されました。
また、こういう重大事件も起こっています。2004年10月にラピュタの親会社である出版社「(株)ふゅーじょんぷろだくと」(社長は同じ才谷遼)で女性従業員が自殺し、2007年5月に審査請求によって過労自殺と認定された事件です。報道によれば、女性従業員が自殺する前日に社長の深夜におよぶ長時間の叱責があったとのことです。ご遺族は社長の謝罪も誠実な対応もなかったことから、慰謝料を求める裁判を起こしています。
これだけの非道を重ねてきたうえ、才谷社長はこともあろうに1月16日付でラピュタ支部委員長である須賀信生さん(映写技師)を何一つまともな理由もなく解雇したのです。解雇は労働者にとって死刑宣告と同じです。解雇通告に負けずローテーション日の1月18日に就労しようとした須賀さんに対して、待ち構えていた才谷社長は「社員じゃないから敷地から出ろ!」と言い放ち、法で定められた離職票の発給も拒否しました。組合がその理由を問いただすと、「君たちが意地汚くて薄汚い、ダニみたいだからだ。君たちと話をする気はない!」とわめく有り様でした。
このような信じがたい暴挙が繰り返されたうえ、残業代支払いの判決が出ても残業代を支払おうとしなかったため、組合はやむなく今年1月22日に差し押さえを強制執行しました。また須賀委員長については、東京地裁に解雇無効の仮処分を訴えます。
ラピュタの従業員や私たち労働組合が求めたものは、暴力も暴言も誹謗中傷もない、普通の職場であり、法に基づいた最低限の労働条件でした。そして私たちは、あくまでも冷静な話し合いによる解決を望んできました。そのすべてをぶち壊し、事態を破滅的な状況に追い込んできたのは、才谷社長自身です。
私たち映演労連と映演労連フリーユニオン、ラピュタ支部を支える会は、ラピュタ支部の仲間の闘いを全力で支援する決意です。私たちの闘いになにとぞご理解とご支援をお願い申し上げます。
- 連絡先
- 映画演劇労働組合連合会(映演労連)
- 〒113-0033 東京都文京区本郷2-12-9 グランディールお茶の水301
- 電話03-5689-3970 FAX03-5689-9585 Eメール;ei-en@ei-en.net
- 須賀委員長の生活の道が断たれたため、皆様のカンパを訴えます。
- カンパ先
- 中央ろうきん本郷支店 普通 口座番号/2509459
- 口座名/映演労連フリーユニオンラピュタ支部
- 抗議先
- (株)ラピュタ代表取締役 川邉龍雄 宛
- FAX 03-5327-7655