安倍改憲提案・発議を許さない特別決議
恫喝と圧力、忖度によって安倍首相が自民党総裁3選を果たし、内閣改造及び党役員人事では、データ捏造、公文書改竄(かいざん)、セクハラ、日報隠蔽(いんぺい)の責任者や、斡旋利得疑惑、違法献金疑惑の当事者、生活保護や従軍慰安婦をめぐり暴言、失言を繰り返してきた人物らが、続々と留任、再任、登用された。閣僚19人中14人が日本(にっぽん)会議に所属し、19人全員が神道(しんとう)政治連盟に加盟している。改憲のみに偏執したグロテスクな陣容である。全国紙世論調査では内閣改造に「期待が高まった」との回答は8%に止まり、内閣支持率も3月の調査から7回連続で不支持が支持を上回っている。さらに民放キー局調査では、臨時国会への改憲提案に「反対」する声が5割を超えている。
しかし、信頼回復に背を向け、憲法尊重(そんちょう)擁護(ようご)義務も顧みず、任期中の改憲に妄執する安倍首相は、9条への自衛隊明記、秋の臨時国会での改憲発議を繰り返し言明している。これに連動して菅官房長官はTV討論番組内で、自民党単独で改憲案を憲法審査会に提案する考えを示した。
特定秘密保護法、戦争法、共謀罪法の強行成立や、経済政策の破綻、度重なる外交上の失策、行政の腐敗・堕落と信頼の失墜など、6年間の失政と暴走は、国民主権、基本的人権尊重、恒久的平和主義といったこの国の基本理念を毀損(きそん)し、歪め続けてきた。この上国民の望まない改憲によって軍事専制国家へと変貌させることなど、断じて許すことはできない。
自衛隊明記は現状追認ではなく、戦力不保持、交戦権否認を規定する9条2項の死文化、自衛隊の軍隊化に他ならない。緊急事態条項は、首相及び内閣に全権委任を許す「内閣独裁条項」である。
また、ひとたび改憲が発議されれば、資金力にものを言わせた改憲称揚CMがテレビ・ラジオに横溢(おういつ)する中で、私たちは法整備も未着手のままの国民投票による選択を余儀なくされる。国民不在の改憲発議を許してはならない。
一方沖縄では、争点隠し、デマの拡散、有権者の締め付けと圧倒的な政権与党からの全面的なサポートを受けた対立候補を大差で破り、故・翁(お)長(なが)知事の遺志を継ぎ「辺野古新基地建設反対、オスプレイ配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去」を表明する玉城デニー知事が誕生した。投票で示された民意は政治の暴走に対する大きな楔(くさび)である。
私たち映演労連は、沖縄をはじめ全国の安倍改憲NOの声と連帯し、3000万人署名を継続するとともに、改憲提案・発議を許さず、平和と民主主義、個人の尊厳を取り戻すまで全力を尽くすことを決議する。
2018年10月18日
映画演劇労働組合連合会
第67回定期大会
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