「働き方改革」関連法案の

衆議院厚生労働委員会採決強行に抗議する


 5月25日、衆議院厚生労働委員会において、「働き方改革」関連一括法の採決が強行され、自民、公明、維新などの賛成により可決した。
 私たち映演労連は議会制民主主義を踏みにじる暴挙に強く抗議するとともに、働くものを過労死するまで働かせ続けることを合法化する同法案を直ちに廃案にするよう強く求めるものである。
 労働時間調査データの捏造という前代未聞の不祥事によって裁量労働制の適用範囲拡大については削除されたものの、8本の法改正を一括法案に取りまとめたこの法案の内実が、タダ働き・過労死促進法案とも呼ぶべき労働法制の大改悪であることは明らかである。

 とりわけ高度プロフェッショナル制度は、労働者に「働き方の裁量」を与えることもなく、時間外・深夜割増手当も支払わずに、週休2日=年間104日の休みさえあれば、24時間労働を48日間連続させても違法にならず、年間6144時間の就労を命じても合法という最悪の過労死促進制度である。また24時間就労を命じて働けなかった分を賃金カットすることも禁止されておらず、年収1075万円の要件はまやかしに過ぎない。
 さらに、過労死ライン(月100時間、2〜6ヶ月平均80時間)の残業上限規制、正規・非正規賃金格差容認、労働者保護法が適用されない「非雇用型就労の普及」を狙う雇用対策法の改悪など、労働者のいのちに対する眼差しが完全に欠落した法案は、断じて受け入れられない。

 安倍首相は、2月の施政方針演説で電通過労自殺問題に触れて「二度と悲劇を繰り返さない」「長時間労働の是正に取り組む」と表明しながら、官邸前で座り込みを行い法案採決に反対していた「全国過労死を考える家族の会」との面談を拒否した。

 労働時間に関する調査データの精査結果に関しては、2割強のデータ削除に加えて、5月25日の委員会採決当日にも新たに精査後のデータの二重集計のミスが明らかとなり、立法事実そのものが根底から揺らぐ中、厚労相や担当部局責任者らが答弁に窮して審議が中断、紛糾したが、議長が強引に質疑を打ち切り、傍聴する過労死遺族の方々の目の前で採決を強行した。

 私たち映演労連は憤りをもってこの蛮行に抗議するとともに、働く者のいのちを蔑ろにし奴隷化する法案を直ちに廃案にするよう強く求めるものである。
以上
2018年05月29日
映画演劇労働組合連合会
中央執行委員長 金丸 研治

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