「働き方改革」関連法案の閣議決定
国会提出に抗議する

 4月6日(金)午前、安倍内閣は「働き方改革」関連法案を閣議決定し、開会中の通常国会に提出した。

 私たち映演労連は怒りをもってこの暴挙に抗議する。

 同法案は、「世界で一番企業が活躍しやすい国」を標榜する安倍政権が、財界の要請を受け「働き方改革」の名の下検討を進めてきた、高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)の創設、過労死ライン(月100時間、2〜6ヶ月平均80時間)の残業上限規制、正規・非正規賃金格差容認など、8本の法改正を一括法案に取りまとめたものであるが、内実はタダ働き・過労死促進法案とも呼ぶべき労働法制の大改悪法案に他ならない。

 私たちはこれまで、安倍内閣、厚労省に同法案の国会提出を断念するよう繰り返し強く求めてきた。
厚生労働省による一般労働者と裁量労働制で働く人の労働時間の調査におけるデータ捏造という前代未聞の不祥事が発覚し、当初盛り込まれる予定であった裁量労働制の適用業務の拡大は、法案から削除されている。

 しかし、安倍首相や加藤厚労相が特別指導の好例と国会答弁を行った野村不動産の裁量労働制濫用事例が、過労自殺の労災申請がきっかけであったことが遺族の労働局への抗議FAXによって明らかとなり、現行の裁量労働制下ですら過労死につながる濫用が防止できていない実態が浮き彫りになっている。

 閣議決定された法案には月100時間、年間960時間もの残業の合法化、残業代ゼロで働かせ放題の合法化が盛り込まれたままである。労働者のいのちに対する眼差しが完全に欠落した法案は断じて受け入れられない。

 厚労省のみならず、財務省の決済文書改竄、防衛省の自衛隊日報隠蔽、文科省の教育現場への不当介入など民主主義国家としての存立基盤を揺るがす異常事態が次々と発覚し、行政への信頼は失墜している。ガバナンスが崩壊した安倍政権には、働く者のいのち、生活と権利を守る労働法制に手を触れる資格はない。

 私たち映演労連は、今回の閣議決定に断固抗議するとともに、過労死・過労自殺を根絶し、8時間働いて人間らしく暮らせる社会の実現をめざして、全法案の廃案に向け全力を尽くすことを誓うものである。
以上
2018年04月11日
映画演劇労働組合連合会
中央執行委員長 金丸 研治

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