労働者派遣法大改悪の採決強行に強く抗議する!
労働者派遣法「改正案」は当初の施行日である9月1日を越えて参議院での審議が紛糾し続ける中、施行日の日述べ修正の上、9月8日厚生労働委員会、翌9日参議院本会議にて採決が強行され、本日衆議院本会議で再可決された。
私たち映演労連は、多くの国民、労働者からの強い反対の声を受け、過去に2度も廃案になったこの労働者派遣法大改悪法案の強行採決に強く抗議する。
そもそも労働者派遣法は職業安定法によって禁止されている労働者供給の一部を「労働者派遣事業」という別概念で括って認めるものであり、1985年の制定当初から今日に足るまで、途中何度かの大幅な規制緩和があっても、派遣業務を「臨時的・一時的業務」に限定し、「常用代替の防止」を大原則としてきた。
しかるに本法案では「常用代替防止」の大原則が完全に踏みにじられ、財界の望むがままに、労働者派遣制度を際限なく拡大することが可能となる大改悪が企図されている。「専門26業務」枠を一律に撤廃し、全ての業種で3年で入れ替えるか、派遣会社に常用雇用されるかで際限なく派遣を受け入れることが可能となり、また.部署を変更すれば同一労働者の派遣労働の継続も可能となる。さらに、派遣受け入れ期間の延長は、派遣先職場の過半数労組もしくは代表者の意見聴取さえ行えば可能となる。
派遣期間制限の撤廃により、永続的な労働者派遣の利用が可能なる一方、「26業務枠」一律廃止により高い専門性を有する労働者が最長3年で職場と雇用を失う危険に曝される。
塩崎厚生労働大臣はじめ政府与党は「正社員を希望する人には正社員化の道を開き、派遣で働くことを希望する人には派遣としてのキャリア・アップを図る」としているが、本法案には正社員化促進を保証する規程は全くなく、キャリア・アップや賃金・労働条件の向上を担保する規程も全くない。実態は答弁とは真逆の、「生涯ハケン」「正社員ゼロ」を招来するものであることは明らかである
さらに、「労働者保護」を謳った2011年の再改正派遣法で制定された「労働契約申入れみなし制度」については、厚労省が虚偽文書(所謂「10.1ペーパー」)を与党議員らに配布するという行政府にあるまじき異常事態が発生、塩崎厚労相が謝罪するに至ったが、その後も政府与党はあくまでも10月1日の制度施行を阻止することに執着し、法案施行日を9月1日から9月30日に修正、採決を強行した。
度重なる審議の中断や不誠実且つ傲慢な議会運営は、戦争法案審議にも共通する安倍政権の民主主義否定の姿勢に他ならず、断じて許されるものではない。
私たち映演労連は、低賃金労働を固定化し、更なる格差の拡大につながる雇用破壊の労働者派遣法大改悪に強く抗議し、同法の廃止にむけた闘いに全力を尽くす所存である。
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