集団的自衛権行使容認の閣議決定及び関連法案の撤回・廃案を求め、 日米ガイドライン再改定に反対する特別決議
2014年7月1日、戦争をする国づくりにむけて暴走を続けてきた安倍内閣は、集団的自衛権行使容認を閣議決定した。立憲主義を否定し、民主主義の根本原則を踏みにじる歴史的暴挙である。
集団的自衛権の行使とは、日本が攻撃されていないにも関わらず、自衛隊が他国とともに海外で武力を行使し、殺し殺される戦争に参加することに他ならない。それがため歴代内閣は「集団的自衛権を行使することは、憲法上許されない」との見解を一貫して維持してきた。ところが安倍内閣は、憲法尊重擁護義務を負う国務大臣たちが自らの責務をかなぐり捨てて、一方的な解釈の変更によって、戦争放棄を謳い平和主義を基本原則に掲げる憲法を破壊する決定を、国民に信を問うこともなく閣議のみで強行したのである。
私たちはこのような蛮行を許すわけにいかない。直ちに撤回を求めるものである。
実際に自衛隊が活動するためには、@平時の米艦防護のための自衛隊法改正案、APKO法改正案など「国際協力関連法案」、B集団的自衛権の行使を可能とする関連法案など3分野で計十数本の個別法案の改定が必要となると目されているが、安倍内閣は閣議決定後に内閣支持率の下落が鮮明になったと見るや、これら関連法案について、9月29日に開会した臨時国会での審議入りはせず、来年の通常国会に先送りすることを決定した。10月26日に福島県知事選、11月16日に沖縄県知事選の投開票があり、来春には統一地方選も控える中、選挙の争点化を避け、国民的関心の鎮静化を図った上で数の力で法案成立を狙うという態度は、甚だしいご都合主義であり、国民主権を蹂躙する態度である。
一方10月8日、日米両政府は、「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」再改定にむけた中間報告を決定した。同報告冒頭には集団的自衛権行使容認閣議決定を「適切に反映させる」と明記した上、「平時」「日本有事」「周辺事態」という現指針の3分類が撤廃され、新たに「日本の平和及び安全」「地域及びグローバルな平和と安全」という2つの柱に整理し直された。アジア太平洋地域を想定した「周辺事態」が削除されたことで、地球規模での日米軍事同盟化の方針が明確となっている。
安倍首相は閣議決定時に「ガイドラインの見直しと安全保障法制の検討は表裏一体だ」と述べ、年内のガイドライン再改定に向け最終報告の取りまとめを急いでいる。しかし国内法整備を後回しにして日米協議を先行することは、日米間で集団的自衛権の行使容認の既成事実化を図ることに他ならず、断じて許されない。
憲法前文と第9条が規定している恒久平和主義、平和的生存権の保障は、憲法の基本原理であり、時々の政府や国会の判断で解釈を変更することは到底許されるものではない。 これ以上政治の暴走、憲法と民主主義の破壊を容認することは出来ない。私たち映演労連は直ちに集団的自衛権行使容認閣議決定の撤回、関連法案の阻止・廃案を求め、日米ガイドライン再改定に強く反対することをここに決議する。
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